音楽家の肩こりをなくしたい。 演奏における身体コンディショニングの重要性を広めようとがんばっている、音楽家専門フィジカルトレーナーの藤本将人です。 「脱力」の話をしていきます。 音楽家にとって「脱力」は永遠のテーマではないでしょうか? 脱力して演奏したら良い音を響かせられるのはわかってるんだけど、どうすれば脱力できるのかわからない。 力んでしまってそれが凝りや痛みの原因であろうことはわかってるんだけど、力を抜いたら演奏できない。 「脱力」の鍵は「インナーユニット」にあると僕は考えています。 インナーユニットとは、体幹(特にお腹)の核(コア)を形成する部分のことです。 上部:横隔膜 下部:骨盤底筋群 周囲:腹横筋 背面:多裂筋 インナーユニットはあらゆる身体動作の予備動作に関係しています。
関節を最適な状態に保つため、運動を開始する前に働きだし、運動の準備をしています。 例として、立っている時に手を挙げる際に、正常ならば肩の筋肉が収縮を始める少し前からインナーユニットは収縮を開始して、脊柱の安定を図ります。 具体的には 上肢では 30ms=0.03秒 下肢では 110ms=0.11秒 という具合に、動作の少し前に働いて身体を安定させる役割をもっています。 インナーユニットが働かずに上肢を動かすとどうなるでしょうか? 土台が安定せずに上肢だけの力で動かさないといけません。 これがすなわち「力んだ」状態だと考えます。 逆にインナーユニットがしっかり働いて土台が安定していれば、それが「脱力」している状態ということになります。 インナーユニットとは体幹のコアです。 じゃあ体幹を固めればいいんでしょってことでお腹にぐっと力を入れようとしても、残念ながらそれはインナーユニットではありません。 たいていは表層の腹直筋が収縮しています。 体幹トレーニングを謳ってるジムなどたくさんありますが、インナーユニットを鍛える動きをしても代償的に周りの筋肉が働いてしまいます。 よっぽど優秀なトレーナーにマンツーマンで指導してもらわないとインナーユニットを鍛えることは難しいでしょう。 それは僕も同じで、インナーユニットを鍛える指導はできません。 ただ、緩めることはできます。 筋肉は固まっているとうまく働いてくれません。 筋肉は使わないとどんどん固くなります。 脱力できていない人はインナーユニットが使えていないということで、ここの筋肉が固いです。 筋肉は使い過ぎても固くなります。 インナーユニットの代償的に働いた筋肉は、本来の用途じゃないところで使われてしまって固くなってしまいます。 周りの筋肉が固いと、これがまたインナーユニットの働きを阻害します。 悪循環ですね。 なのでまずは緩めることが大事なのです。 骨盤周りを緩めるだけで、インナーユニットが働きやすくなり、手の動きや呼吸といった演奏運動が楽になって、音の響きが良くなりますよ。 「鍛えなくてもインナーユニットが使えるようになる!?」 次の記事でお話ししています。 〜身体を知れば音が変わる〜 音楽家専門フィジカルトレーナー 藤本将人 070-5652-7071 [email protected] 音楽家のための整体院 泉月 |
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